日本初上陸。「錆びないナイフ」Terrain365の実力とは?

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Terrain365のナイフ「Element Alpha HD」と「Bravo HD」。湿った丸太の上に置かれた状態。

海でも、山でも。多湿な環境下でも。
過酷なフィールドを想定して生まれた、“錆びないナイフ”があります。

Terrain 365(テレイン365)──アメリカ・カリフォルニアから届いた、冒険のためのツール。ミリタリーとアウトドアのエッセンスを併せ持ち、唯一無二の存在感を放つこのナイフブランドが、このたびKINRYUオンラインストアにて日本初上陸を果たしました。

ブランド名の「Terrain」は“地形”を意味し、その名の通り「あらゆる地形で365日使えるナイフ」をコンセプトにクラシックなデザインを踏襲しながらも、機能性と実用性をまったく新しい視点から追求。

今回は、そんなTerrain365のナイフに共通する “錆びない鋼材”=Terravantium(テラバンチウム)にフォーカスし、その実力と魅力をじっくりご紹介していきます。

Terrain 365(テレイン 365) は、アメリカ・カリフォルニア州に本拠地を構える新鋭的なナイフブランドです。ミリタリー・アウトドアギアブランド 「Prometheus Design Werx(PDW)」 の創始者として知られる Patrick Ma(パトリック・マー) 氏と、熟練のナイフ職人 Michael Vagnino(マイケル・ヴァグニーノ) 氏によって2018年に設立されました。

彼らが目指したのは、あらゆる地形や環境で活躍し、長く愛用できるアドベンチャーギア。Terrain 365™ のナイフは、過酷な野外環境での使用を想定して、最先端技術を用いた高機能合金を駆使し製造されています。特に 「錆びないこと」と「最小限のメンテナンスで長く使えること」 を追求した設計が特徴です。さらに、洗練された機能美あふれるデザインも高く評価されており、世界中のアウトドア愛好家やEDCツール・ナイフコレクターから注目を集めています。

『Terrain 365の代名詞!高機能鋼材 「Terravantium(テラバンチウム)」』

Terrain365が独自開発した高機能鋼材「Terravantium(テラバンチウム)」の素材イメージ。

Terrain365の核となる“錆びない鋼材”

ブランドのアイデンティティとも言えるのが、独自に開発された高機能鋼材「Terravantium(テラバンチウム)」です。

この鋼材は、鉄を一切含まない特殊なコバルト合金で構成されており、従来のナイフが苦手としてきた「錆び」に対して圧倒的な耐性を持っています。
海辺や多湿な環境でもほぼ錆びることがなく、過酷なフィールドでも安心して使える素材です。

またTerravantiumは、金属の結晶構造(デンドライト状)によって刃先に超微細なノコギリ状のエッジ(マイクロセレーション)が自然に形成され、これにより刃が摩耗しても新しい“エッジ”が現れ、長期間にわたって一定の切削力を維持できるという特徴があります。

また、硬度が高くない分、研ぎ直しもしやすいというのもポイント。メンテナンスが気軽にできるのもポイント。実用性と信頼性を兼ね備えた鋼材です!

Terrain365のナイフ「Element Alpha HD」と「Bravo HD」を並べた比較ショット。湿った苔の生えた木の上に置いた状態。

そんなTerravantiumを採用しているのが、Terrain365の代表モデルとなるナイフたち。この鋼材の特性を活かすために設計されたモデルは、どれもシンプルで無骨、それでいて実用性と機能美を兼ね備えた仕上がりです。

ここからは、実際に使ってみた感想も交えながら、2つの代表モデルをご紹介していきます。

『試してみた!実際の使用感』

実際のところTerravantium(テラバンチウム)を用いたナイフの使い勝手はどのようなものなのでしょうか。刃物の町・関市のナイフショップ「BARCO」五十川氏のご協力のもと、ブランドの代表モデル「Element Alpha HD」を試用してみました。

Element Alpha HDでフェザリングを試みている様子。
Element Alpha HDでファットウッドを削ってみている様子の写真。

まず手に取って感じたのは、サイズ感のちょうどよさ。しっかりと握れるハンドルには550パラコードが巻かれており、実用性とデザイン性の両方を備えた好印象な仕上がりです。

ブレードには厚みがあり、刃の角度もやや鈍めに設定されているため、フェザリングのような細かく繊細な作業には少し不向きな印象。ただ、ファットウッドのようなやや硬めの素材を“削る”用途には十分に対応してくれました。

Element Alpha HDで針葉樹の薪を軽めのバトニングで割っている様子。
Element Alpha HDでロープを切断している写真。試用している。
Element Alpha HDを研いでみたイメージ。砥石の上に置いた構図。

バトニングに関しては、本来このナイフの設計思想からするとあまり推奨される使い方ではありません。ですが、あくまで試験的に軽いバトニングを試してみたところ、ブレードの厚みによってある程度まではこなしてくれる頼もしさを感じました。過信は禁物ですが、いざというときに安心できるポテンシャルがあるのは心強いです。

コード類のカットや、ちょっとしたクラフト用途では非常に安定した使用感。刃の硬度は高くないので、簡単な研ぎ直しもスムーズ。メンテナンス性の高さも、この鋼材のメリットとなりそうです。※ベベルストップ(刃の付け根付近)に厚みがあるため、鋭角に研ぐときは部分的に注意が必要のようです。

総じて、「切れ味で攻めるナイフ」というよりも、「道具としての安心感や信頼性を重視したナイフ」という印象でした。
特にTerravantiumの“錆びにくさ”と“メンテナンス性の高さ”は大きな魅力。多湿な日本のアウトドア環境でも、安心して持ち出せる1本だと思います。

・手入れについての補足

使用後は真水でしっかり洗い流すことをおすすめします。特にカイデックスシースの鳩目部分などの金属パーツは、鋼材と異なり錆びる可能性があるため注意が必要です。ナイフブレードと一緒に長く使いたいパーツなので、気を付けたいですね。

『Terravantium鋼材による特徴まとめ

鋼材が実際の使用感にどう影響しているか、ここであらためて特徴をまとめておきます。

鋼材「Terravantium(テラバンチウム)」は、Elementシリーズに代表されるTerrain365のナイフに採用されています。最大の魅力は、“ほぼ錆びない”という圧倒的な耐腐食性。

切れ味に関しては、超微細なノコギリ状の刃先(マイクロセレーション)によって、挽き切るような感覚で、摩耗しても長く安定した切削力を維持。一般的なナイフが高硬度によって刃持ちを保つのに対し、Terravantiumは刃の構造そのものによって切れ味の持続を実現しているのが特徴です。

Element Alpha HDのオレンジカラーの写真。使用感あり。

Terravantiumは、過酷な環境でも頼りになる実用鋼材として、ブランドの掲げる「どんな地形でも365日使えるナイフ」というコンセプトを支えています。

Terrain 365(テレイン 365)のアイテムをストアでみる

Terravantiumを搭載した2つの代表モデル

Terrain365のナイフ「Element Alpha HD」と「Bravo HD」を並べた比較ショット。サイズ感やブレード形状の違いがわかる構図。
▲ 上:Element Alpha HD / 下:Element Bravo HD

Terravantium鋼材の特性を最大限に活かすべく設計されたのが、Element Alpha HD と Element Bravo HD の2モデルです。

どちらも錆びにくさと高い耐久性、そして最低限のメンテナンスで使い続けられる実用性を兼ね備えたフィールドナイフ。ミリタリーとアウトドア、2つの世界観を融合させた無骨で機能的なデザインも共通しています。

違いは主にサイズ感と運用スタイルにあり、用途やフィールドに応じて選べるのが魅力です。

このあとは、それぞれのモデルの特徴や使い心地を詳しく見ていきましょう!

■ Element Alpha HD (エレメント アルファ HD)

Element Alpha HDのイメージ写真。苔や湿った枝のある場所に置いた構図。

ブランドの初期ラインナップから存在する代表モデルです! ミリタリーテイストをシンプルだけどユニークに仕上げた秀逸なデザイン。ゴツっとした無骨さの中に洗練さを感じることができ、なんとも男心をくすぐる一本です。サイズ感や、汎用性の高いドロップポイント形状など、ユーティリティなナイフを目指して開発されています。

・サイズ感

Element Alpha HDを正面から握った状態。中型サイズのグリップ感と安定感が伝わる。
Element Alpha HDを上から握った構図。刃の厚みを強調。
Element Alpha HDのハンドル下部を見せるアングル。パラコード巻きの雰囲気がわかる。

全長203mm、刃長101mm。ミディアムサイズほどのナイフとして作られており、手にしっかりフィットするサイズ感です。フィンガーチョイル(指かけのくぼみ)によって安定したグリップ感も魅力です。

・携行性

カイデックスシースからナイフを抜くところ。クリップが見える構図。
Element Alpha HDをショルダーストラップにクリップ装着した携行スタイル。

付属のカイデックスシースにはクリップがついており、これを利用することでベルトや、ストラップなどに取り付けて持ち運ぶことができます。 クリップは取り外し可能。向きを逆にすることもできるので、ショルダーストラップに逆さ付けしたいときは、調整すると良いです。

・ハンドルのラッピングや刻印について

Element Alpha HDのスケルトン構造ハンドル。550パラコードで巻かれた状態。

スケルトン構造のフルタング。このナイフのハンドルには、550パラコードが巻き付けてあります。とても良い雰囲気のコードなので、ぜひ最初は、この初期の状態でお楽しみください。コードが劣化したり、あるいはカスタムしたいと思う方は、お好きなコードで巻き直してみても楽しそうです。

Element Alpha HDのブレード刻印。Terravantium素材名とブランドロゴのレーザー刻印。

ブレードには、ブロンドロゴや鋼材名のレーザー刻印が施されています。米国製をしめす「USA」の3文字もたまらないです。

・カラー展開について

 Terrain365 Element Alpha HDのカラーバリエーション全4色を横並びで表示。

カラーは全4色。どれにしようか迷うほど、それぞれ味わいのある色味となっています。

(※製造ロットによってカラーの若干の色味や、シースの形状が異なることがあります。)

■ Element Bravo HD (エレメント ブラヴォー HD)

Element Bravo HDのイメージ写真。きれいな苔の生えた倒木の上に置いた状態。

こちらもブランドの初期ラインナップから存在する人気モデル。コンパクトなサイズ感と、専用のカイデックスシースによって携行性に優れており、バックアップナイフとして最適。コンパクトながら、確かな存在感を感じる1本ですね。

・サイズ感

Element Bravo HDを正面から握った構図。コンパクトサイズのフィット感がわかる。
Element Bravo HDを上から握った状態。小型でも操作しやすいグリップが特徴。
Element Bravo HDのハンドル下部を見せる構図。細身のALSEコードが巻かれている。

全長152mm、刃長76mm。アウトドアシーンでサブナイフとして活躍する絶妙なサイズ感です。

・携行性

Element Bravo HDをネックストラップで首から提げたスタイル。アウトドアでの携行に最適。

専用のカイデックスシースが付属しています。カイデックスシースは耐久性に優れているほか、水や汚れにも強く、手入れも簡単!軽量なのも良いですね。

この「Element Bravo HD」は、ネックナイフとして持ち運び可能。首から提げておくことで、さっと取り出して使用することができます。

・ハンドルのラッピングや刻印について

Element Bravo HDのスケルトンハンドル。軍用グレードのALSEコードが巻かれている。

スケルトン構造のフルタング。このナイフのハンドルには、ALSE(軍用航空装備)グレードのコードが巻き付けられています。細めで張りがあります。そして、やはり良い雰囲気のコードがチョイスされています。

Element Bravo HDのブレード刻印。Terravantiumとブランドロゴがレーザーで刻まれている。

Bravoのブレードにもブランドロゴと鋼材刻印が施されています。ミニマルなデザインながら、しっかりと“USA”の存在を感じさせてくれます。

・カラー展開について

Terrain365 Element Bravo HDの全4色カラーバリエーションを横並びで表示。

カラーは全4色。ラインナップは、前述の「Alpha」といっしょです。皆様はどのカラーがお好きですか?

(※製造ロットによってカラーの若干の色味や、シースの形状が異なることがあります。)

どちらを選ぶ?モデル選びのヒント

シースに入れたままのElement Bravo HDとElement Alpha HD。

こんな方には「Element Alpha HD」がおすすめ:
・メインナイフとして1本でしっかり使いたい
・少し力のかかる作業や、広めのフィールドで使うことが多い
・サイズに安心感や汎用性を求める

こんな方には「Element Bravo HD」がおすすめ:
・軽量でサッと取り出せるサブナイフを探している
・ネックナイフスタイルで携行したい
・コンパクトでも存在感と信頼性のあるナイフが好き

ぜひ自分のスタイルに合った相棒を見つけて、フィールドでじっくり使い込んでみてください!

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最後に

海でも山でも。Terrain 365のナイフは、場所を選ばないアドベンチャーギアです。錆びない鋼材と機能的なデザイン。その一本には“道具としての信頼感”がしっかり宿っています。

ナイフ好き、ミリタリー好き、アウトドア好き。
どの視点から見ても、使い込むほどに魅力が増していくはず。

「どんな地形でも365日使える」──そのコンセプトを、ぜひ皆様の手で確かめてみてください!

Special Thanks!!

本項の記事を構築するにあたり、刃物の町「岐阜県関市」にて「”ちいさなセレクトナイフショップ” BARCO(バルコ)」を営む五十川氏に一部の監修などご協力いただきました! 彼はハンターやブッシュクラフターとしての肩書をもつアウトドアマンです。